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ブラウン管ガラス廃材で放射線遮るコンクリ

2012.05.16

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独立行政法人「物質・材料研究機構」(茨城県つくば市)と大手建設会社が、テレビのブラウン管を砕いた廃材を使い、放射線の遮蔽効果の高いコンクリートを開発した。同機構が12日発表した。東日本大震災で発生したがれきの処理や保管が課題となっている中、放射性物質を含むがれきの仮置き場などでの活用が期待される。

同機構の原田幸明グループリーダーによると、廃棄されるテレビのブラウン管のガラス廃材に含まれる鉛が、高い放射線遮蔽効果を持つことに着目。ブラウン管のガラスには、ガンマ線を遮蔽するために重量比最大約25%の鉛が混ぜられており、粉砕したガラス廃材を厚さ約50センチにして箱に詰めると、放射線の99%を遮ることが実験で分かった。

この結果をもとに同機構が、新たな材料の開発に協力する企業を募ったところ、ゼネコンの清水建設(東京)が、コンクリートへの応用を検討。コンクリート全体の半分の量のガラス廃材を混ぜると、厚さ44センチのものでも放射線の99%を遮蔽できた。強度や製造コストは通常のコンクリートと同じ程度だという。

また、防水関連製品を製造販売する「R JAPAN」(沖縄県宜野湾市)も、ガラス廃材を特殊溶液と混ぜ、折り曲げることも可能な防水板を作製した。コンクリートよりも1割以上軽く、シート状にも加工できるという。

原田さんは「地デジ化で廃棄されるアナログテレビ約1500万台を都市鉱山(資源)として活用する技術はできた。被災地のニーズと結びつけて活用してほしい」と話している。
(2012年3月13日 読売新聞)

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