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【最新】低濃度PCB廃棄物に使える助成金とは?助成金申請の流れを詳しく解説

2025.06.10

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PCB(ポリ塩化ビフェニル)は、かつてその優れた電気絶縁性や熱安定性から変圧器やコンデンサなどに広く使用されていましたが、人体や環境への有害性が明らかになり、現在はその使用や保管が厳しく規制されています。低濃度PCB廃棄物の処理は企業にとって大きな負担となりますが、それを軽減するために国(環境省)がPCB処理補助金を新たに設けました。この記事では、低濃度PCB廃棄物処理に関する助成金の概要、申請方法、PCBを放置した場合のリスク、そしてタムラエンバイロが提供するサポート内容について詳しく解説します。

1. 低濃度PCBとは?

PCBは、その濃度によって低濃度PCBと高濃度PCBに分類されます。

・低濃度PCB廃棄物は、PCBの含有量が0.00005%(=0.5mg/kg)より高く0.5%以下となる廃棄物を指します。

高濃度PCB廃棄物とは異なり、PCBを意図して使用したわけではなく汚染によってPCBを含有してしまったものがほとんどです。低濃度PCB廃棄物は、OFケーブルや汚泥、圧複写紙(ノーカーボン紙)などがあげられます。

・高濃度PCB廃棄物は、PCBの含有量が0.5%を超えるものを指します。製造時にPCBを意図的に使用した製品が該当し、高圧変圧器・コンデンサ・安定器などが代表的です。

高濃度PCB廃棄物の処理期限は2023年3月31日までで、すでに終了しています。高濃度PCB廃棄物の処理施設は決められており、国が設立した中間貯蔵・環境安全事業(株)(JESCO)で行われてきました。

2. 助成金の概要

低濃度PCBに汚染された廃棄物の処理期限は2027(令和9)年3月31日です。限られた期限内に低濃度PCB廃棄物の適正な処理を促進するため、国は都道府県を通じてPCB処理に関する助成金制度を設けています。この助成金は、PCB廃棄物の分析費用や処理費用の一部を負担するもので、対象となる助成対象者、助成金額、申請書類の提出先などが決められております。

2-1. 助成対象者:

助成金の対象者は、原則として低濃度PCB廃棄物を保管・所有している事業者です。具体的には、以下のような事業者が該当します。

区分条件
1法人製造業次のいずれかの基準を満たすこと。
1.資本金又は出資の総額が3億円以下
2.常時使用する従業員の数が300人以下
卸売業次のいずれかの基準を満たすこと。
1.資本金又は出資の総額が1億円以下
2.常時使用する従業員の数が100人以下
ゴム製造業次のいずれかの基準を満たすこと。
1.資本金又は出資の総額が3億円以下
2.常時使用する従業員の数が900人以下
旅館業次のいずれかの基準を満たすこと。
1.資本金又は出資の総額が5千万円以下
2.常時使用する従業員の数が200人以下
小売業次のいずれかの基準を満たすこと。
1.資本金又は出資の総額が5千万円以下
2.常時使用する従業員の数が50人以下
サービス業次のいずれかの基準を満たすこと。
1.資本金又は出資の総額が5千万円以下
2.常時使用する従業員の数が100人以下
その他の業種次のいずれかの基準を満たすこと。
1.資本金又は出資の総額が3億円以下
2.常時使用する従業員の数が300人以下
業種共通次のいずれの基準にも該当しない者であること。
(1) 業種区分ごとの要件を満たす会社法法人以外の会社法法人(以下「大企業者」という。)の所有に係る株式の数の発行済株式の総数に対する割合又は大企業者の出資の金額の出資の総額に対する割合が1/2以上であること
(2) (1)に掲げる基準を満たす者との間に完全支配関係(法人税法(昭和40年法律第34号)に規定する完全支配関係をいう。以下同じ。)があること
(3) 大企業者との間に完全支配関係があること
2個人1の業種区分ごとに(2)に掲げる基準(業種共通の部分を除く。)を満たすこと。
3学校法人、宗教法人、医療法人、社会福祉法人常時使用する従業員の数が100人以下であること。
4中小企業団体など次のいずれかに該当する団体であること。
(1) 中小企業団体の組織に関する法律に規定する中小企業団体(事業協同組合、事業協同小組合、火災共催協同組合、信用協同組合、協同組合連合会、企業組合、協業組合、商工組合及び商工組合連合会)
(2) 特別の法律により設立された組合又はその連合会であって、その直接又は間接の構成員の2/3以上が1又は2の要件を満たすもの(農業協同組合、漁業共同組合)

2-2. 対象となる廃棄物:

助成金の対象となる費用は、主にPCB分析費用とPCB処理費用です。

(1)分析:

・国内で所有している微量の PCB に汚染されているおそれのある電子機器※1

※1 ただし、高濃度 PCB を含むことが確実なもの並びに安定器を除きます。

(2)収集・運搬、処分:

・微量 PCB の含有が確認された絶縁油

・微量 PCB 絶縁油が封入されたトランス、コンデンサー等の電気機器※2

・ドラム缶またはペール缶に封入された微量 PCB 汚染物※3

※2 ただし、高濃度 PCB を含むことが確実なもの並びに安定器を除く。ポリ塩化ビフェニル濃度が 0.5mg/kg を超え、5,000mg/kg 以下のポリ塩化ビフェニルに汚染され廃棄物となった、設備の電源系に使用された機器を示します。

※3 ウエス、塗膜くず、小型電気機器等を示します。

2-3. 対象となる経費、限度額及び標準処分単価:

助成金には限度額が設定されています。

(1)試料採取及び分析に要する経費

・電気機器から絶縁油を採取する経費及び絶縁油の PCB 濃度を分析※1 する経費

※1 分析方法は、告示で示された検定方法や環境省が監修するマニュアル・ガイドラインに基づくものに限ります。例として「絶縁
油中の微量PCBに関する簡易測定法マニュアル(環境省)」又は「平成 4年厚生省告示第192号別 表第2」
に記載された方法により分析されたものがあります。

<注意>

※拭き取り検査による分析経費は助成対象外です。

※消費税及び地方消費税は助成対象経費に含まれません。

分析(試料採取費を含む)1 検体限度額
10,000(円/検体)

・分析費用(試料採取費含む)が 2 以上ある場合は、それぞれ助成限度額を適用します。

(2)収集・運搬(積込み・積下しを含む)に要する経費

・収集運搬事業者が実施した保管場所から処理施設までの収集運搬に係る費用の一部

・収集運搬に伴う積込みや積下し等及び運搬に必要な低濃度 PCB 廃棄物の修繕や補修の措置の費用

<注意>

※ドラム缶・ペール缶の購入代金と助成金申請のための手続き代行費用については対象外となります。

※消費税及び地方消費税は助成対象経費に含まれません。

低濃度 PCB 廃棄物の種類限度額
低濃度 PCB 汚染廃電気機器※2192,500(円/台)
小型機器・その他(ドラム缶)75,000(円/缶)
小型機器・その他(ペール缶)73,500(円/缶)

・低濃度PCB 廃棄物が2以上ある場合は、その種類ごとの助成限度額を合計した額となります。

※2 ポリ塩化ビフェニル濃度が 0.5mg/kg を超え、5,000mg/kg 以下のポリ塩化ビフェニルに汚染され廃棄物となった、設備の電源系に使
用された機器を示します。

2-4.申請書受付期間(令和7年度分)

・令和 7 年 4 月 1 日~令和8年3月31日 財団必着(原則)

*予算枠の範囲を超えた日をもって、申請書の受付を終了しますのでご注意ください。

2-5.よくある質問:

Q:申請前に見積もりは必要ですか? A:多くの場合、処理業者からの見積書が必要となります。

Q:助成金の交付決定までどれくらいかかりますか? A:数ヶ月かかる場合もありますので、余裕を持って申請しましょう。

Q:申請書類の記入で困った場合はどうすればいいですか? A:自治体の担当窓口に問い合わせるか、専門業者に相談しましょう。

3. 助成金の交付申請の流れ

助成金の申請書類の提出先は、公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団になります。

3-1. 助成金交付申請書等の提出

・申請者は助成対象事業を実施する前に、所定の低濃度ポリ塩化ビフェニル助成金交付申請書(第 1 号様式)と必要書類を財団に提出してください。

・助成金交付申請書は必要事項記載の上、その他必要書類と共に、HP から電子申請(アップロード)で提出して下さい。

*提出書類は返却しませんので、必ず控えの保存を行った上で提出してください。

3-2. 助成金交付決定の通知

・申請書を受け付けた後、審査し交付要件に合致していると認めたときは、低濃度ポリ塩化ビフェニル助成金交付決定通知書(第 2 号様式)を送付します。なお、低濃度ポリ塩化ビフェニル助成金交付決定通知書の発行日よりも前に分析(分析のための試料採取を含む)、漏えい防止処置、収集・運搬、処分を実施した場合は、助成金の交付はできませんので、ご注意ください。

3-3. 実績報告書等の提出

・分析終了後又はマニフェスト伝票D票到着後から速やかに低濃度ポリ塩化ビフェニル助成金交付金実績報告書(分析実績は第 3 号の 1 様式、漏えい防止、収集・運搬実績は第 3 号の 2 様式、処分実績は第 3 号の 3 様式)と必要書類を財団に提出してください。

*分析、収集・運搬、処分は、交付申請書 1 件につき実績報告 1 回限りとなりますで、ご注意ください。

3-4. 助成金交付額確定の通知

・実績報告書等の内容を審査し、交付要件に合致していると認めた場合は、低濃度ポリ塩化ビフェニル助成金交付額確定通知書(第 4 号様式)を送付します。

3-5. 助成金の支払

・助成金交付額確定通知書送付後、概ね 1 ヶ月以内に実績報告書に記載された指定口座に助成金の振込を行います。

【申請様式及び記入例】申請様式及び記入例につきましては、公益財団法人 産業廃棄物処理事業振興財団の以下ページよりダウンロードならびにご確認頂けます。

https://www.sanpainet.or.jp/joseikin/page3.html

4. 放置するとどうなる?

PCB廃棄物を放置すると、以下のようなリスクがあります。

・法令違反による罰則: PCB特措法に基づき、罰金や懲役刑が科される可能性があります。

・環境汚染: PCBが漏洩し、土壌や水質を汚染する可能性があります。

・企業イメージの低下: 環境問題に対する企業の責任が問われ、企業イメージが低下する可能性があります。

・事業譲渡・売却時の障害:PCBが保管されている土地・建物は、売却が難しくなる可能性があります。

5. タムラエンバイロにできること

タムラエンバイロでは、PCB廃棄物の処理に関する豊富な実績と専門知識を有しており、お客様のPCB処理をトータルサポートいたします。

・現地調査:保管状況の確認、PCB含有機器の特定

・PCB分析:専門機関と連携し、正確なPCB分析を行います。

・処理計画の策定:お客様の状況に合わせた最適な処理計画を策定します。

・申請サポート:助成金申請をサポートします。

・処理の実施:許可を受けた処理施設で、PCB廃棄物を安全かつ確実に処理します。

(体験談)ある中小企業のお客様から、「工場の老朽化に伴い設備更新を検討しているが、古い変圧器にPCBが含まれている可能性があり、処理費用が心配だ」というご相談をいただきました。当社は、現地調査を行いPCB含有機器を特定、分析を実施した結果、低濃度PCBが含まれていることが判明しました。その後、自治体への助成金申請をサポートし、無事に助成金交付決定を受け、処理費用負担を軽減することができました。「専門業者に依頼して本当に助かった」と大変喜んでいただけました。

6. まとめ

PCB廃棄物の処理は、企業にとって重要な課題です。助成金制度を活用することで、処理にかかる費用負担を軽減することができます。PCB処理でお困りの際は、専門業者に相談することをお勧めします。

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・ご相談いただいたお客様には、事業紹介資料のプレゼントもご用意しております。

低濃度PCB廃棄物の分析や処分についてご質問がありましたら、お気軽にご相談ください

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