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【初心者向け】汚泥とは?産業廃棄物の種類別処理方法と基礎知識
2025.11.27
カテゴリ
汚泥(おでい)とは?産業廃棄物としての分類と適正な処理方法を基礎から解説します。
汚泥は、産業廃棄物の中でも発生量が多く、適正な処理が求められる品目の一つです。特に「初めて産業廃棄物処理業者に依頼する」という担当者の方は、何から手を付ければ良いか戸惑うこともあるでしょう。この記事では、汚泥の基本的な定義から、種類別の処理方法、そして適正処理のために知っておくべき基礎知識までをわかりやすく解説します。
目次
汚泥とは?産業廃棄物としての定義と分類
汚泥は、液体と固体の中間的な性質を持つ、泥状の廃棄物です。
汚泥の定義:具体的にどんなもの?
環境省によると、産業廃棄物としての汚泥は、主に以下のものが該当します。
工場排水等の処理で生じる泥状物:
・下水処理場や浄水場から出るもの
・工場や事業場の廃水処理施設で沈殿・分離されたもの
・建設工事現場で発生する泥水から分離されたもの
汚泥かどうかを判断する際には、その含水率が一つの目安となります。一般的に、産業廃棄物の判断基準である固形状に達しない、水分を多く含む泥状のものが汚泥に分類されます。
汚泥が該当する産業廃棄物の区分
汚泥は、廃棄物処理法で定められた20種類の産業廃棄物の中で、最も多くの業種から発生する品目の一つです。
また、汚泥の中には、特定の有害物質(重金属など)が含まれる場合があり、その際は特別管理産業廃棄物に該当し、より厳格な処理基準が適用されます。
汚泥の種類別処理方法:リサイクルと最終処分
汚泥の処理方法は、その性質(含水率や含有成分)や発生源によって多岐にわたります。ここでは主要な処理方法を解説します。
①脱水・乾燥による減容化処理
発生した汚泥の大部分は水分です。この水分を取り除くことで、運搬や処理にかかるコストを大幅に削減できます。
処理方法・概要・目的
脱水:
フィルタープレスや遠心分離機などを用いて、強制的に水分を絞り出す。
含水率を下げて、固形化(脱水ケーキ)する。
乾燥:
熱を加えて水分を蒸発させる。
処理後の汚泥の重量・体積をさらに減らす。
脱水・乾燥によって固形化された汚泥は「脱水ケーキ」と呼ばれ、後のリサイクルや最終処分に適した形になります。
②資源化(リサイクル)処理
適切な処理を行うことで、汚泥は有用な資源として生まれ変わります。
建設資材への利用:
脱水・乾燥後の汚泥を焼成し、セメント原料や路盤材として再利用されます。
肥料・改良材への利用:
有機質の多い汚泥は、堆肥として農地へ還元されることがあります(ただし厳しい基準を満たす必要があります)。
③最終処分(埋め立て)
リサイクルが困難な汚泥や、有害物質を含む汚泥の一部は、最終処分場へ運ばれ埋め立てられます。
安定型最終処分場:
有害物質を含まない、環境への影響が少ない汚泥(脱水ケーキなど)が処分されます。
遮断型最終処分場:
有害物質を含む特別管理産業廃棄物の汚泥が処分されます。厳重な遮水構造を持つ施設です。
初めて依頼する担当者が知っておくべき基礎知識と注意点
適正な処理を進めるためには、排出事業者としての責任を果たすことが不可欠です。
処理の前に!汚泥の性状を正確に把握する
処理業者に依頼する際は、まず排出する汚泥がどのようなものかを示す情報が必要です。
発生工程:どの工程で汚泥が発生したか。
含有成分:特定有害物質が含まれていないか、成分分析データが必要です。特に初めて処理を依頼する場合は、事前に分析を求められることがほとんどです。
この情報に基づいて、処理業者は最も適正で効率的な処理方法を提案します。
マニフェスト(産業廃棄物管理票)の交付と管理
産業廃棄物の処理を委託する際は、マニフェストの交付が法律で義務付けられています。
マニフェストは、廃棄物が「いつ」「どこから」「どこへ」運ばれ、「どのように」処理されたかを最後まで追跡するための重要な伝票です。処理が完了するまで、排出事業者はこのマニフェストを適切に管理・保管する義務があります。
優良な産業廃棄物処理業者を選ぶためのポイント
汚泥の適正処理は、信頼できる処理業者に委託することが大前提です。
必要な許可証の確認:
・収集運搬業許可:汚泥を運ぶ業者が持っているか。
・処分業許可:汚泥を処分する施設が持っているか。
汚泥の品目に対する許可があるか、必ず確認しましょう。
処理方法の透明性:
処理ルートや最終処分場について、明確な説明があるか。
現場確認の実績:
排出場所や汚泥の状況を事前に確認する姿勢があるか。
よくあるご質問(Q&A)
ここでは、汚泥処理に関して初めてご依頼いただく担当者の方から寄せられる、代表的なご質問にお答えします。
Q1. 汚泥の処理費用はどのように決まりますか?
A1. 処理費用は「汚泥の性状」「処理方法」「運搬距離」によって大きく変動します。
特に重要な要素は以下の3点です。
含水率・性状:水分が多いほど脱水・乾燥の工程コストがかさみます。また、有害物質が含まれる場合は、厳重な処理が必要となり費用が高くなります。
処理方法:リサイクルできる場合は費用を抑えられる可能性がありますが、焼却や最終処分(埋め立て)の場合は、その費用が加算されます。
重量・体積と運搬距離:廃棄物の量が多いほど、また運搬距離が長くなるほど、運搬費が大きくなります。
正確な費用をお見積もりするためには、まずお客様の汚泥の詳細な性状分析が不可欠です。
Q2. 建設現場から出る泥水は、すべて「汚泥」として処理する必要がありますか?
A2. 泥水の状態によります。建設現場で発生する泥水(建設汚泥)は「汚泥」として扱われますが、現場で適切に処理され、再生利用が可能な状態になれば、廃棄物として扱われないケースもあります。
通常、掘削や基礎工事で発生する泥水は、適切な処理施設で脱水・分離され、固形分(汚泥)と処理水に分けられます。この固形分が産業廃棄物としての「汚泥」に該当します。
重要なのは、その泥水が以下の基準を満たすかどうかです。
・泥水が固形化されていない
・特定有害物質が含まれている可能性がある
処理が必要な場合は、必ず汚泥の処理許可を持つ業者に依頼してください。
Q3. 処理を依頼する際、成分分析は必ず必要ですか?
A3. 原則として、廃棄物の種類や有害性の有無を判断するために、最初の依頼時には「成分分析」が必要となるケースがほとんどです。排出事業者は、自らの廃棄物が安全に処理できる性状であることを処理業者に示す義務があります。
特に、以下のような汚泥の場合は、分析が必須となります。
・特別管理産業廃棄物(特定有害物質を含むもの)に該当するかどうかを判断する場合。
・リサイクル(セメント原料化など)の基準を満たしているか確認する場合。
分析結果に基づいて、業者は適切な処理ルートを決定するため、処理をスムーズに進めるためにも、事前に分析を行うか、分析をサポートできる業者にご相談ください。
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