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【産業廃棄物】リチウムイオン電池の適切な処理方法を徹底解説|種類・リスク・処分先の選び方まで

2025.11.18

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近年、電動工具、建機、フォークリフト、非常用電源など、建設業や製造業をはじめとするあらゆる産業で「リチウムイオン電池」の活用が急速に進んでいます。その利用増に伴い、産業廃棄物として排出される使用済み・不要になった電池の量も増加傾向にあります。

リチウムイオン電池は、廃棄物処理の過程で「発火・爆発」といった重大な事故を引き起こすリスクがあるため、事業者は一般的な産業廃棄物とは異なる特別な注意を払う必要があります。本コラムでは、建設業や製造業の担当者様向けに、リチウムイオン電池を産業廃棄物として排出する際の「リスク」「正しい処理方法」「処分ルートの選定ポイント」までを詳しく解説します。

1. リチウムイオン電池(LiB)とは?その構造と廃棄時の課題

リチウムイオン電池(LiB)は、充電が可能な二次電池の一種です。エネルギー密度が高く、小型・軽量であるため、産業分野で広く普及しています。

この電池は、正極、負極、セパレーター、そして可燃性の有機溶媒を含む電解液で構成されています。この電解液の存在こそが、電池に強い衝撃が加わったり、内部でショートしたりした際に「熱暴走」を引き起こし、「発火・爆発」に至る最大の原因となります。

この特殊な構造とリスクがあるため、リチウムイオン電池を産業廃棄物として排出・処理する際には、厳格な安全対策と専門的な取り扱いが求められます。

2. 産業で発生するリチウムイオン電池の種類と発生状況

産業廃棄物として排出されるリチウムイオン電池(LiB)は、主に以下の製品に内蔵・使用されています。排出する際は、製品から電池を取り外すか、製品と一体のまま廃棄するかによって、産業廃棄物の種類や処理方法が変わる点に注意が必要です。

産業で使用される主なリチウムイオン電池の種類

小型二次電池:
「電動工具」(ドリル、インパクトドライバーなど)、「計測機器」、「業務用ドローン」などに使用されるカートリッジ型やパック型のリチウムイオン電池。

中・大型二次電池:
「フォークリフト」、「電動建機」、「AGV(無人搬送車)」などの動力源となる大型のバッテリーパック。
また、「UPS(無停電電源装置)」や「非常用電源」として施設に設置される大型蓄電池。

その他:
製造ラインで発生した「不良品」や、「研究開発で使われた試作品」なども産業廃棄物として排出されます。

産業廃棄物としての排出状況

リチウムイオン電池本体は、構成物質に基づき、主に「廃プラスチック類」「金属くず」、またはこれらが混ざった「複合品」として産業廃棄物に該当します。

また、リチウムイオン電池が内蔵されていた「電動工具」や「建機」の筐体なども同時に廃棄される場合、「金属くず」や「廃プラスチック類」として処理されますが、必ず電池本体を分別し、安全措置を講じた上で排出する必要があります。

3. リチウムイオン電池が抱える「発火リスク」とその原因

リチウムイオン電池を産業廃棄物として取り扱う上で、最大の注意点となるのが「熱暴走による発火」リスクです。

リチウムイオン電池は、電解液に可燃性の有機溶媒が含まれています。電池が物理的な衝撃を受けたり、ショートしたりすると内部で急激な温度上昇(「熱暴走」)が起こり、電解液に引火して発火・爆発に至る危険性があります。

この発火事故は、「収集運搬車」や「中間処理施設」での火災の原因となっており、事業継続に関わる重大な事故につながる可能性があります。

4. リスクを回避するための適切な処理方法(排出事業者の義務)

排出事業者として、発火事故を防ぐために最も重要で基本的な対策は、「リチウムイオン電池を他の廃棄物と厳密に分別すること」、そして「絶縁処理を徹底すること」です。

排出時の三原則:分別・絶縁・保管

【分別】他の産業廃棄物と混ぜない
製品(電動工具、建機など)に内蔵された状態で廃棄する場合でも、可能な限り電池を取り外して個別に排出してください。他の廃棄物との混載は絶対に避けてください。

【絶縁処理】端子部分を確実に覆う
電極(プラス・マイナス端子)部分に、ガムテープやビニールテープなどを貼って完全に絶縁してください。絶縁することで、金属片や他の電池との接触による「ショート」を防ぐことができます。

【保管】破損や濡れを防ぐ
保管時は直射日光を避け、水濡れや破損がないように専用の容器に入れてください。破損した電池は特に危険性が高いため、速やかに処理業者に相談してください。

5. 処分先と業者の選び方|安全・法令遵守のためのポイント

リチウムイオン電池の処理には、高い専門性と安全管理が求められます。一般的な産業廃棄物処理業者では取り扱いを断られるケースもあるため、専門の業者を選定することが必須です。

処理業者の選定時に確認すべき事項

適切な許可の保有
リチウムイオン電池が該当する産業廃棄物の種類(廃プラスチック類、金属くず等)について、「収集運搬」および「処分(中間処理)」の許可を都道府県・政令指定都市から得ているかを確認します。

リチウムイオン電池の取り扱い実績
リチウムイオン電池の処理に関する具体的な実績、専用の運搬・保管体制、事故防止マニュアルなどを有しているかを確認します。実績のない業者への委託は避けてください。

最終処分・リサイクルルートの透明性
電池に含まれる「コバルト」「ニッケル」「リチウム」などの希少金属を回収するリサイクルルートが確立されているか(ゼロエミッションに貢献できるか)も重要な選定基準となります。

当社(タムラエンバイロ株式会社)は、長年の経験と安全管理ノウハウに基づき、適切な分別・絶縁指導から、確かなネットワークを持つ専門のリサイクル業者への引渡しまで、お客様のリチウムイオン電池の適正処理をサポートしています。

6. よくある質問(Q&A)

Q1:リチウムイオン電池は事業系一般廃棄物として処分できますか?

A1:できません。事業活動に伴って排出されたリチウムイオン電池は、「産業廃棄物」として処理することが、廃棄物処理法によって定められています。家庭ごみとして自治体に出すことはできません。

Q2:完全に放電すれば安全に処理できますか?

A2:完全に放電してもリスクは残ります。電池内部にわずかでも電力が残っている限り、ショートや物理的な衝撃による発火リスクはゼロにはなりません。また、放電作業自体が危険を伴うため、事業者が自己判断で完全放電を試みるのは避けるべきです。
絶縁処理を施した上で、専門業者に処理を委託してください。

Q3:電動工具から取り外せない場合はどうすればいいですか?

A3:製品ごとに専門業者へ相談してください。無理に取り外そうとすると電池が破損し、かえって危険です。電池が内蔵された状態(製品一体型)での適切な運搬・処理が可能な専門業者に相談し、指示に従って排出してください。

7. 無料相談のご案内|安心・確実な処理をサポート

タムラエンバイロ株式会社へのリチウムイオン電池処理に関するご相談や、現地での分別・保管方法に関するアドバイスをご希望の場合は、いつでもお気軽にご連絡ください。御社の事業活動におけるリチウムイオン電池の適正処理をサポートいたします。

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